【11月12日 AFP】11日の米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙によると、米次期大統領に選出されたバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員とその顧問らは、次期オバマ政権が対テロ戦略の主戦場と位置づけるアフガニスタンでの地域戦略についてイランとの対話を含み検討を開始している。

 匿名で同紙に答えたオバマ氏の国家安全保障問題担当顧問の1人によると次期政権はまた、アフガニスタンで反政府活動を続ける旧支配勢力タリバン(Taliban)と、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領率いる現アフガニスタン政府との対話も支持する構えだ。

 同顧問によると、来年1月20日に米大統領に就任するオバマ氏は、2001年の米国同時多発テロの首謀者とされる国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の捕捉に焦点を当ててきた対テロリズム戦略を刷新するつもりだ。

 ポスト紙は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領の率いてきた現米政権にとって、アフガニスタンでは「イデオロギー上および外交上の制約、そして(アフガニスタンに)近代民主国家を築くという非現実的な目標への取り組み」が妨げとなったと指摘し、より現実味のある目標はイスラム原理主義を拒絶し、米国の国益を脅かさない安定したアフガニスタンを作ることだと主張した。

 同紙は4日の大統領選前後の、オバマ氏の顧問や米軍戦略部門の高官などの談話を引用した。(c)AFP