【10月21日 AFP】台湾南部の台南(Tainan)市で21日、同地を訪問中の中国政府高官が台湾独立派の活動家から暴行を受ける騒ぎがあった。

 暴行を受けたのは、中国の対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会(Association for Relations Across the Taiwan StraitARATS)の張銘清(Zhang Mingqing)副会長。

 騒ぎをとらえたテレビ映像によると、同副会長が台南市の寺院を訪問した際、多数の活動家らが副会長を取り囲んだ上、地面に押し倒した。地元テレビの映像では、1人の男が同副会長の乗った自動車の屋根に乗り、足で踏みつけながら「出て行け」と叫ぶ光景も見られた。

 張副会長は、厳重警戒の中19日に台湾入りし、20日には台南市で開かれたセミナーに出席していた。台南市は、台湾独立派の野党・民主進歩党の地盤となっている。

 中国政府との関係強化を公約に掲げている国民党の馬英九(Ma Ying-jeou)総統が5月に政権に就いて以来、台湾海峡の緊張は緩和傾向にあるが、民進党は25日、ARATSの陳雲林(Chen Yunlin)会長の訪台に抗議する大規模な集会を予定している。(c)AFP