【9月16日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ2008-09(UEFA Champions League 2008-09)グループリーグ第1節のボルドー(FC Girondins de Bordeaux)戦を16日に控えるチェルシー(Chelsea)のルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督は、オーナーのロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏を満足させるために同大会で優勝する必要はないと強調した。

 スコラーリ監督の前任であったクラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)氏をはじめ、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏、アブラハム・グラント(Avram Grant)氏はいずれも注文の厳しいオーナーに欧州最高の栄誉をもたらすことはできず、その代償として最終的にアブラモビッチ氏から職を解かれている。

 同大会でラニエリ氏とモウリーニョ氏は計3度も準決勝の壁に阻まれた、またグラント氏は前回大会でチームを決勝に導いたがマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)にペナルティーキック(PK)戦の末敗れ優勝を逃している。

 本拠地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)で迎えるボルドーとのグループリーグ初戦を16日に控え、今度はスコラーリ監督が危険に身を置いているが、同監督は少なくとも現段階ではプレッシャーを感じている様子を見せていない。

 アブラモビッチ氏とチェルシーの2008-09シーズンの目標について話をしたスコラーリ監督は、ロシア人の億万長者である同氏が同監督の雇用保障とチャンピオンズリーグでの成功を関連づけることはなかったと断固として主張している。スコラーリ監督は「君たちは過去を知らない。私は前任者がなぜ解任されたかを知っている。その理由はポルトガル語でなら言うことができるが英語で言うのは不可能だ。ロマン・アブラモビッチ氏とチャンピオンズリーグのことについては話をしていない。チェルシーについて、全ての大会について話をした。特にA、B、Cの大会ということはない。我々はこの大会だけでなく全てで勝つ必要がある。君たちはこの大会が他よりも重要と言うかもしれないが、私はそうじゃない。この試合は重要だが、カーリング杯(Carling Cup)もFAカップ(FA Cup)も同じように重要だ。選手に尋ねたら彼らは全てを勝ちたいと言うよ。選手にチャンピオンズリーグでのプレーが全てだと言うつもりはない。彼らは全ての大会、全ての試合、全ての練習でベストを尽くす必要がある」と語っている。

 また、スコラーリ監督はモスクワ(Moscow)で行われた決勝でPK戦の末マンチェスター・シティに敗れた前回大会の苦い記憶がチームの大きなモチベーションであることを理解しているが、過去にとらわれることを拒絶している。スコラーリ監督は「選手と今大会が始まることについて話したが、決勝での敗戦やPK戦については話していない。ポジティブな言葉しか発していない。チェルシーがチャンピオンズリーグ制覇のために何年も努めていることは理解している。前回は決勝にたどり着いており、これはとても素晴らしいことだ。チェルシーだけでなくほかのクラブにとっても決勝に到達するのは簡単なことではない。我々は再びそのためにスタートするが、長い道のりであり、他のクラブに対する敬意を持つ必要がある」と語っている。(c)AFP/Steve Griffiths