【8月29日 AFP】(一部更新)26日にドミニカ共和国とハイチが二分するイスパニョーラ(Hispaniola)島を直撃したハリケーン「グスタフ(Gustav)」による死者は、29日までに計59人に上った。

 現在は勢力を弱めて熱帯低気圧となっているが、ジャマイカに豪雨をもたらしており、住宅の屋根が飛ばされるなどの被害が出ている。29日夜には英領ケイマン諸島(Cayman Islands)に到達するとみられている。

 ハイチ当局者によると、犠牲者の多くはグスタフによって発生した洪水によるもので、南東部での被害が最も大きかった。2日たった現在も、同国では水位の上昇によるがけ崩れなどが発生しているという。ジャマイカ当局も、土砂崩れや鉄砲水、高波などに警戒している。

 英石油大手BPや米コノコフィリップス(ConocoPhillips)、米蘭ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)は28日、メキシコ湾(Gulf of Mexico)の石油関連施設から作業員を撤収させた。キューバでも東部の6万人以上が避難した。

 2005年のハリケーン「カトリーナ(Katrina)」の被災から3周年を迎えるニューオーリンズ(New Orleans)市当局も、住民を強制避難させる方針を検討していると発表した。

 一方、米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)の国立ハリケーンセンター(National Hurricane Center)は、大西洋上で28日、新たな熱帯暴風雨「Hanna」が発生したと発表した。(c)AFP