【8月27日 AFP】(写真追加)グルジアからの分離独立を求めるアブハジア(Abkhazia)自治共和国と南オセチア(South Ossetia)自治州の独立をロシアが承認したことに対して、中国政府は27日、コメントを発表しなかった。

 グルジア情勢の質問に対して、中国外務省報道官は、発表内容があるときに連絡すると述べた。

 26日の会見では、外務省の秦剛(Qin Gang)報道官が、両地域の独立承認を大統領に求める請願をロシア議会が可決したことについて質問され、「最新情勢については知っている。関係者には、対話を通じて正しい結論を導き出してほしい」とだけ述べていた。ロシア議会の独立承認要請を受けて、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)露大統領は、両地域の独立を正式に承認した。

 また、中国メディアも、政府の意向に従って、グルジア情勢をほぼ取り上げていない。

 中国共産党の機関紙「人民日報(People's Daily)」は27日に、第6面でロシア大統領が正式承認したという事実を小さな記事で取り上げただけだった。また、国際情勢を中心に取り上げる「環球時報(Global Times)」紙は、一面に掲載したものの、論説は掲載しなかった。 

 中国は、ロシアとの友好関係がある一方、国内のチベット(Tibet)自治区や新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で独立問題を抱えており、グルジア問題でジレンマに直面している。

 中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席は27日に、タジキスタンの首都ドゥシャンベ(Dushanbe)でメドベージェフ大統領と会談する予定で、会談の席でグルジア情勢への中国の立場を明確に表明する可能性がある。

 ロシアによる独立承認に欧米諸国は激しく非難している。ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は、「無責任な判断」を撤回するよう要求。また、欧州連合(European Union)も、ロシアを強く非難し、ロシアによる独立承認の影響を注視するとの声明を発表した。(c)AFP