【8月27日 AFP】第65回ヴェネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)が27日、ブラッド・ピット(Brad Pitt)とジョージ・クルーニー(George Clooney)が出演するクライム・コメディ『Burn After Reading』のワールドプレミアで開幕する。

 この作品は、2月のアカデミー賞授賞式で監督賞を受賞した、ジョエル・コーエン(Joel Coen)とイーサン・コーエン(Ethan Coen)の兄弟がメガホンを取ったもの。ジョン・マルコヴィッチ(John Malkovich)やティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)も出演している。ジムで働く2人の中年スタッフが、引退したCIAエージェントの回顧録を偶然発見し、整形手術の費用のために売ろうとするというストーリー。

 今年は52作品が出品され、うち21作品が金獅子(Golden Lion)賞を狙うコンペティション部門で競い合う。中でも注目されているのは、北野武(Takeshi Kitano)監督の『アキレスと亀(Achilles and the Tortoise)』と宮崎駿監督の『崖の上のポニョ(Ponyo on the Cliff by the Sea)』。両作品とも金獅子賞の有力候補とされている。日本からは、押井守(Mamoru Oshii)監督の『スカイ・クロラ(The Sky Crawlers)』も出品されている。

 そのほかの話題作は、以下のもの。
・『The Wrestler』:米国のダーレン・アロノフスキー(Darren Aronofsky)監督。
・『Inju, la bête dans l’ombre』:フランスのバーベット・シュローダー(Barbet Schroeder)監督。日本を舞台にしたスリラー。
・『Rachel Getting Married』:『羊たちの沈黙(Silence of the Lambs)』のジョナサン・デミ(Jonathan Demme)監督。アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)が疎遠になった姉妹の結婚式に表れる女性を演じる。
・『The Burning Plain』:キシコ出身のギジェルモ・アリアガ(Guillermo Arriaga)監督。シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)とキム・ベイシンガー(Kim Basinger)が出演。

 今年の審査員は、イタリア人女優ヴァレリア・ゴリノ(Valeria Golino)、アルゼンチンのLucrecia Martel監督、香港(Hong Kong)のジョニー・トー(Johnnie To)監督。審査委員長は、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(Buena Vista Social Club)』『パリ、テキサス(Paris, Texas)』などの作品で知られる、ドイツのヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)監督が務める。

 会期中には、7月27日に82歳で死去したエジプトの映画監督、故ユーセフ・シャヒーン(Youssef Chahine)をたたえ、同監督の1958年の作品『Cairo: Central Station』の上映も行われる。

 功労賞はイタリアのエルマンノ・オルミ(Ermanno Olmi)監督(77)に授与される。オルミ監督の『木靴の樹(L'Albero degli ZoccoliThe Tree of Wooden Clogs)』(1978年)は、カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)のパルム・ドール(Palme d'Or)など、複数の映画賞を獲得している。(c)AFP