【7月7日 AFP】物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)が1915年に発表した一般相対性理論が正しかったことが、連星パルサーというユニークな恒星状天体によって実証された。カナダ・モントリオール(Montreal)のマクギル大学(McGill University)のビクトリア・カプシ(Victoria Kaspi)氏を中心とする国際的天体物理学者チームが3日の科学誌サイエンス(Science)に発表した。

 パルサーは、超新星爆発後に残った小さくて極めて密度の高い恒星状天体だ。その回転速度は極めて速く、巨大な重力場を生成するとともに磁極からは強力な電波が放射される。こうした電波は地上の電波望遠鏡で観測される。銀河系ではこれまでに1700個を超えるパルサーが発見されているが、連星パルサーは2003年に発見された1個しか確認されていない。 

 一般相対性理論に従えば、重力場が強力な連星パルサーは、互いを周回するうちに回転軸の向きが徐々に振れることになる。「歳差運動」と呼ばれるものだ。

  天体物理学者チームは、連星パルサーは一般相対性理論の検証の場に最もふさわしいと判断し、電波を使って連星パルサーの動きを分析した。その結果、片方のパルサーで歳差運動が確認された。一般相対性理論が誤っていればパルサーは歳差運動を示さないか、別の運動を示していたことが想定されることから、一般相対性理論が実証されたという。(c)AFP