【6月30日 AFP】福田康夫首相は30日、来日中の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連(UN)事務総長と首相官邸で会談し、スーダンで展開している国連平和維持活動(PKO)に自衛官数人を派遣する方針を伝えた。

 政府は、2005年に設立された国連スーダン派遣団(UNMIS)司令部に、専門的知識をもつ自衛官数人を派遣するとしている。

 また福田首相は、世界の貧困層を直撃する食糧価格高騰や地球温暖化といった国連の重要課題を、次週開催される北海道洞爺湖サミット(G8 Hokkaido Toyako Summit、主要国首脳会議)でも議題として積極的に取り上げると潘事務総長に約束した。

 潘事務総長からは、北朝鮮の非核化プロセスにおける国際的取組みの進展や、日本の国連安保理常任理事国入りについて言及された。事務総長は日本の立場に理解を示しながらも、国連改革にはさらに議論が必要だと述べた。

 前職は韓国の外交通商相だった潘事務総長は、アジア歴訪の最初の訪問地として日本に4日間の日程で滞在し、政府は最高の歓迎でもてなした。30日には潘氏は歓迎式典に出席した後皇居を訪問し、天皇、皇后両陛下と会見した。1日には中国へ向かい、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の成果などについて政府高官らと協議した後、韓国を訪問し、歴訪の最後は洞爺湖サミットで締めくくる予定だ。
 
 また政治的危機にあるジンバブエ情勢について、潘事務総長は東京滞在中に、ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領が再選した選挙は極めて不正だと言及した。 (c)AFP/ Hiroshi Hiyama