【5月23日 AFP】ミャンマー入りした国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)事務総長は22日、記者会見し、大型サイクロン「ナルギス(Nargis)」被災後の国際救援活動の受け入れをめぐり、ミャンマー軍事政権がいくらか柔軟な態度を示しているとの見方を示した。

 潘事務総長は、ミャンマー史上最悪の自然災害となった、サイクロンによる被害が最も大きかったエーヤワディーデルタ(Ayeyarwaddy Delta)地方を、ヘリコプターで上空から3時間ほど視察。また、被災者が身を寄せる避難所2か所も視察した。軍政によると、サイクロンによる死者・行方不明者は13万4000人に上るという。

 事務総長は一方で、訪問の主な目的は、大規模な国際救援活動の承認を軍政から得ることだと述べた。軍政は、多数の命を救える可能性のある全面的な国際救援活動を拒否し、世界中を驚かせた。

 海外からの援助は次々と同国に届いており、軍政は最も遠隔の被災地に支援物資を運ぶため、国連のヘリコプター10機が活動することに同意したが、一方で、長期にわたって海外の影響力で軍政の権力が弱まる可能性があると疑っており、救援活動を希望する海外支援団体の大半に対し入国を拒否している。(c)AFP