【5月22日 AFP】聖地エルサレム(Jerusalem)では、「Sex」は語れない――。間もなくイスラエルでも公開を迎える話題作『セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the City)』の宣伝に関して、「Sex」という言葉が物議を醸している。

 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地エルサレムでは、「Sex」と書かれた広告は掲げられない。広告がなければ、映画も宣伝できない。つまり、イスラエルで来週公開を迎える同作品の宣伝が、エルサレムでは行われない事態になっている。そのほかにも、ユダヤ教正統派のコミュニティを抱えるテルアビブ(Tel Aviv)近郊のPetah Tikvaでも宣伝が控えられるという。

 配給元のForum Filmsは、性を擁護する立場を貫いている。「2つの町の広告で『Sex』という言葉を削除するつもりはない。これらの町では宣伝活動は行わない」と同社の広報担当Arieh Barak氏は語っている。

 今回の騒動の発端は、市民に不快感を与えるのではないかと危惧(きぐ)した地元の役人から要請を受けた広告会社のMaximediaが、主演のサラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)が描かれた広告を掲示しないと地元紙に発表したことだった。

 Maximediaの広告担当Meir Shamir氏は、日刊紙イディオト・アハロノト(Yediot Aharonot)に次のように語ったという。「信心深い人々に不快感を与えないよう、『Sex』という言葉を宣伝しないでほしいという要望を受け、我々はその意見を尊重することにした。我々は長年にわたって、彼らとは協力関係にある。問題となることの多い『Sex』という言葉で彼らと争いたくはない」

 AFPの取材に対して、Maximediaからの回答は無い。

 2つの町以外のイスラエル国内では、変更を加えずに同作品の宣伝が行われるという。(c)AFP