【5月14日 AFP】米国務省のソン・キム(Sung Kim)朝鮮部長は13日、ワシントンD.C.(Washington D.C.)の同省で記者会見し、北朝鮮政府がプルトニウム計画に関する約1万8000ページの文書を提出したことについて、核計画申告に向けた「重要な第1歩」と評価した。

 キム部長は、平壌(Pyongyang)から持ち帰った314冊、1万8822ページにわたる文書について、朝鮮語からの翻訳と専門家チームによる精査が必要だとしながらも、「遅れている北朝鮮の核計画申告の検証における重要な第1歩」だと強調した。

 また、検証作業の完了には、北朝鮮科学者らからの聞き取り調査や核施設の実地調査も必要で、検証の「方法」についても、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議のほかの4か国と決定されなければならないと主張した。

 キム部長は核計画申告が、6か国協議の主催国、中国に提出される時期については「すぐに提出準備ができるかどうか明言するのは時期尚早」と述べた。

 一方で、北朝鮮が交渉の手段とするために核施設の無能力化を遅らせていると指摘し、北朝鮮側がエネルギー支援の時期について調整する必要があると主張していることを明らかにした。

 今回のキム部長の北朝鮮訪問では、プルトニウム計画にのみ集中して協議を行ったという。10日に平壌からソウル(Seoul)を経由した際に韓国当局者に、また帰国後は日本と中国の当局者に訪問について説明を行ったという。

 また、6か国協議の米主席代表、クリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補が、来週早々にも対応協議を行う見通しだと述べた。開催場所については未定だという。(c)AFP/Lachlan Carmichael