【5月13日 AFP】台湾の国防部(国防省)は12日、08年度版「国防報告書」を発表し、中国は台湾との戦争になった場合に米国の介入阻止するため、軍備を増強していると指摘した。

 同報告書によると、中国政府は「台湾海峡(Taiwan Strait)で中台戦争が発生した場合、台湾救援のための米国による介入を阻止するため、アジア・太平洋地域の米軍基地や米艦隊を攻撃できる」長距離ミサイルの配備を強化しているとした。

 また、台湾国防部は、中国は台湾に向けて1000基以上の短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルを配備しているとし、報告書では「中国は台湾問題を平和的に解決したいと主張しているが、台湾との軍事紛争に備え軍備拡張を続けている」と強調している。

 2007年度の中国の軍事費は公式発表で前年比17.8%増の449億4000万ドル(約4兆6680億円)で米国、ロシアに次いで世界第3位となっている。しかし、今回の報告書で台湾国防部は実際の予算規模はこの2-3倍に達しているとみており、こうした中国の急速な軍拡が台湾海峡の軍事バランスを崩していると警告した。

 一方の台湾の軍事費は2007年にGDP比で2.69%だったが、2008年にはGDP比3%に増加させるとしている。具体的には、米国からF16C/D戦闘機66機、通常型潜水艦8隻、対潜哨戒機12機、地対空誘導弾パトリオット(Patriot)ミサイルなどを購入する予定だ。

 米国は1979年に台湾と断交し中華人民共和国を承認したが、現在も台湾への最大の武器供給国となっている。(c)AFP