【5月12日 AFP】ワシントンD.C.(Washington D.C.)の国立公園ナショナル・モール(National Mall)に建立予定のマーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King Jr.)牧師の像について、米政府当局が中国人制作者に対し、「レーニン像のような雰囲気」を排して再制作するよう申し入れた。

 米美術委員会(Commission on Fine ArtsCFA)によると、像を制作している中国人彫刻家のLei Yixin氏に対し4月、手紙で「当初のコンセプト・デザインからいくぶん外れてしまった」として懸念を伝えたという。

 2006年にCFAが承認した当初のデザインは、記念碑「希望の石」の中から「躍動的かつ思慮深い」キング牧師が浮かび上がるというイメージで、製作期間は約5年を予定していた。

 手紙の中でCFA側は「像の表情は堅苦しく、躍動感もないばかりか、挑発的な姿勢に見え、『希望の石』の表面に張り付けられたような印象だ」と指摘。「壮大かつ社会主義リアリズム的な像は、近年世界各国で民衆の手で引き倒されているたぐいの政治家の銅像を思い起こさせる」として、「ミケランジェロ(Michelangelo Buonarroti)やオーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)の作品のような印象」の像に作り直すよう要請したという。(c)AFP