【4月29日 AFP】前年9月にシドニー(Sydney)でアジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)首脳会議が開かれた際、豪テレビ番組の俳優らが国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者に扮装(ふんそう)し、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領の投宿先ホテルに近づいたとして逮捕された事件で、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州のNicholas Cowdery公訴局長官は、番組スタッフ11人に対する立ち入り禁止区域侵入罪の起訴をすべて棄却した。

 オーストラリア放送協会(ABC)の人気風刺番組『The Chaser’s War on Everything』のロケ中だった俳優らは、カナダ国旗を掲げた偽の政府高官車列で検問を通過し、ブッシュ大統領投宿先のホテルに接近。ビンラディン容疑者に扮した俳優が車から現われるまで阻止されなかった。

 公訴局長官は、この事件が起きた状況は「異常だった」とし、11人全員に対する起訴を棄却した。

 同長官は、偽の許可証を所持していた番組スタッフを、立ち入り禁止区域に通したのは警察側だと指摘し、「警察の許可が立ち入りを正当化する特別な理由となる」とした。(c)AFP