【4月18日 AFP】イタリア総選挙で勝利し首相への返り咲きを決めたシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏が15日、女性閣僚が過半数を占めるスペイン新内閣を「ピンク色すぎる(too pink)」と評したことに対し、スペインの女性新閣僚から反発する声が上がっている。

 スペインの日刊紙パイス(El Pais)によると、ベルルスコーニ氏は15日の記者会見で「(女性が内閣の過半数を占めることは)イタリアではありえない。イタリアは優秀な男性にあふれているし、閣僚にふさわしい有能な女性を見つけるのは容易ではない」などと述べたという。

 スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ(Jose Luis Rodriguez Zapatero)首相が12日組閣した新内閣は、スペイン初の女性国防相となったカルメ・チャコン(Carme Chacon)氏(37)を始め女性9人が入閣。一方、男性閣僚は8人で、女性の人数が男性を上回った。チャコン国防相は現在妊娠7か月。

 スペインの与党・社会労働党のエレナ・バレンシアーノ(Elena Valenciano)氏は、スペインと同様にイタリアでも閣僚にふさわしい女性は多いはずとイタリア女性を擁護し、ベルルスコーニ氏に「有益な社会と政治のため」スペインの例に倣ってはどうかと切り返した。

 31歳でサパテロ新内閣の平等相に就任しスペイン史上最年少の閣僚となったビビアナ・アイード(Bibiana Aido)氏も、ベルルスコーニ氏の発言についてのコメントを求められ、「男性同様に女性も政治的責任能力を備えていることは明らかだ」と批判した。

 また、マグダレナ・アルバレス(Magdalena Alvarez)開発相は、ベルルスコーニ発言を「全く不適切で、男性と女性の両方を侮辱している」と非難。「多くの女性はベルルスコーニ氏の内閣で閣僚を務めたいと思わないだろう」と付け加えた。(c)AFP