【AFP】クラスター(集束)爆弾の被害者で、同爆弾の禁止条約制定を目指すセルビア人のブラニスラブ・カペタノビッチ(Branislav Kapetanovic)さんが14日、都内で会見を開き、クラスター爆弾は核兵器と同じくらい危険なものだと語り、日本政府に対し同爆弾の禁止条約への調印を求めた。

 カペタノビッチさんは「クラスター爆弾は、最も恐ろしく危険な兵器だ」とした上で、「日本政府には、クラスター爆弾の全面禁止を求める動きに参加してもらいたい」と語った。さらに、被害者数でみると、クラスター爆弾は核兵器と同様に被害をもたらしていると強調した。

 カペタノビッチさんは旧ユーゴスラビア軍の地雷除去部隊の元兵士で、2000年にセルビア中部での除去作業中に両手両足を失い、その後はクラスター爆弾禁止条約制定を訴える活動家になった。現在は、世界約200のNGO連合「クラスター爆弾連合(Cluster Munitions CoalitionCMC)」の広報担当者として、世界各地で同爆弾の全面禁止を訴えている。

 アイルランド・ダブリン(Dublin)では5月19-30日、クラスター爆弾の禁止条約制定を目指す国際会議が開催され、禁止条約締結に合意がなされるとみられている。日本政府は、会議に出席予定だが、同種の兵器類の禁止に対しては明確な支持を示しておらず、全面禁止条約にも反対している。

 クラスター爆弾による被害者数に関する公式記録はないが、国際NGO「ハンディキャップ・インターナショナル(Handicap International)」は、被害者の98%が民間人で主に子どもだとしている。(c)AFP