【4月2日 AFP】フィンランドのイルッカ・カネルバ(Ilkka Kanerva)外相(60)は1日、ストリップ・ダンサーの女性に性的な内容のショートメッセージを携帯電話で大量に送りつけたことを認め、辞任に追い込まれた。カネルバ氏が所属する穏健保守の国民連合(National Coalition PartyKok)が発表した。

 国民連合はカネルバ外相の私生活と政治生活を巡る疑惑に数週間揺れたが、ユルキ・カタイネン(Jyrki Katainen)党首は1日、スキャンダルはカネルバ外相の信認を損なうものだとして、最終的に留任支持を取り下げた。

ヘルシンキ(Helsinki)で記者会見したカタイネン党首は、カネルバ外相が「私生活を政治の世界に干渉させないという約束を破った」と支持撤回の理由を説明した。後任には、欧州議会(European Parliament)のAlexander Stubb議員(40)が任命された。

 カネルバ外相は、1月末に出会った29歳のストリップ・ダンサーJohanna Tukiainenさん姉妹に約200通ものショートメッセージを送信したとして、数週間メディアを賑わしていた。

 外相は繰り返し疑惑を否定したが、前月10日、欧州連合(European Union)首脳会議を前に訪れたベルギーのブリュッセル(Brussels)で疑惑を認めた。

 カネルバ外相は、これまでのところ正式なコメントを出していない。外務省は外相が「病気休暇を取っており、予定されている公務はキャンセルした」と発表した。

 カネルバ外相が騒動の渦中に身を置いたのは今回が初めてではなく、3年前にも若い女性モデル数人に性的な内容のショートメッセージを送りスキャンダルになっていた。

 また1月には、60歳の誕生日を祝うためという理由で、コソボ(Kosovo)と中東情勢を協議するためブリュッセルで行われたEUの重要な会議を欠席した。

 カネルバ外相は、国会議員歴33年で4度の入閣経験を持つ政界の重鎮で、2012年に任期が終わるタルヤ・ハロネン(Tarja Halonen)大統領の後継候補として有望視されていた。2人の娘がいる。(c)AFP/Rebecca Libermann