【3月31日 AFP】F1で7度の世界王者に輝いたミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏は現地30日、初参戦したバイクレースの公式戦で4位に入ったものの、バイクレースで新たなキャリアを築くつもりはないことを明らかにした。

 イタリア東部リミニ(Rimini)のミザノ(Misano)で開催されたKTMトロフィー(KTM Trophy)に参戦したシューマッハ氏は、現地29日に行われた予選で3番グリッドを獲得していた。

 決勝で2番目に速いラップタイムを計測したシューマッハ氏は、さらに順位を上げることも可能だったが、第1コーナーでコースを防がれて一時は10位にまで後退。その後、自らの真のスタイルを発揮したシューマッハ氏は次々と上位選手を抜き去り、最終的には初の公式戦を4位でフィニッシュした。

 フェラーリ(Ferrari)などで数々のタイトルを獲得し、2006年シーズン限りでF1を引退したシューマッハ氏は、引退後はアマチュアのバイクレースに数回出場しており、ハンガリーのレースでは3位に入り、復活祭の時期にバルセロナで開催されたレースでは優勝を飾っている。

 ドイツの大衆紙ビルト(Bild)の日曜版でシューマッハ氏は「バイクに乗ることで純粋に大きな喜びを得ている。それをキャリアにするような特別な野心は一切ない。時々レースに参戦するのは単純に競争が好きだからだ」と語っている。

 2007年11月に世界ロードレース選手権(WGP)に参戦するドゥカティ・マールボロ(Ducati Marlboro)のマシンのテストに参加したことで、シューマッハ氏の今後については様々な噂が流れているが、当の本人は「バイクで最も気に入っているのは、アクションにより近いということだ。ハンドルを通じてマシンの強さを感じることができ、カーブでは膝が地面に触れ、周りにはコックピットもない。そしてバイクのシステムは自分で取り扱うことができる」とバイクの魅力を語るにとどまっている。

 だが、シューマッハ氏はF1時代にも何かの手掛かりになるような発言をしたことはなく、ビルトはシューマッハ氏には理学療法士が同行し、オレンジと黒の超軽量ヘルメットを注文しているとも伝えている。(c)AFP