【3月30日 AFP】米大統領選の民主党候補指名を争うヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員は、選挙戦の長期化は民主党に打撃を与えるという党内からの批判に対し、最後まで撤退する意志はないとの姿勢を示した。

 クリントン候補は、30日の米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙に掲載されたインタビューで、早期撤退論は間違っており、残り10州の選挙戦全てとフロリダ、ミシガン両州の再投票問題が決着するまで選挙戦から撤退する意志がないとの考えを明らかにした。

 フロリダ、ミシガン両州は1月に予備選を前倒ししたことから党則違反に問われ、8月の党大会での代議員資格をはく奪されている。両州で勝利したクリントン陣営は、党大会への両州代議員の復帰を模索している。

 民主党の全国委員会(Democratic National CommitteeDNC)のハワード・ディーン(Howard Dean)委員長は28日、11月の大統領選で民主党が勝利するためには党内の早期団結が必要と述べ、パトリック・レーヒー(Patrick Leahy)上院議員も同日、地元バーモント(Vermont)州の公共ラジオ局の放送で、クリントン候補に対して選挙戦から撤退し、党候補としてオバマ氏の擁立を認めるよう求めていた。

 しかしクリントン・オバマ氏両陣営ともに、激しい選挙戦が民主党に打撃を与えてはいないとの考えを示している。

 バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は29日、「激戦が原因で党が分裂しているというのは誇張だ。わたしは最終的に民主党は団結すると思っている」と述べ、6月にすべての予備選・党員集会が終わった後に候補者は選ばれるべきだと述べた。またビル・クリントン(Bill Clinton)前大統領は、激しい接戦を繰り広げている今、ヒラリー候補が撤退しなければならない理屈が思い当たらないと述べた。

 クリントン候補は、民主党の政権奪回のために勝たなければならない人口の多い州で強さを発揮するのは自分だと主張してきた。この主張を証明するには次のペンシルベニア(Pennsylvania)州の予備選で大勝する必要がある。

 ペンシルベニア州では、ほとんどの支持率調査でクリントン氏が2桁の差をつけて優位に立っている。オバマ陣営は、ペンシルベニア州に乗り込んでからの巻き返しに期待を寄せている。(c)AFP/Alain Jean-Robert