【3月14日 AFP】米国防総省は、サダム・フセイン(Saddam Hussein)元イラク大統領と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)との直接的な関係を示す「決定的な証拠は見つからなかった」とする報告書をまとめた。米ABCテレビが13日報じた。ブッシュ政権のイラク戦争の開戦理由を米軍当局が否定したことになる。

 報告書は、60万枚に及ぶイラクの公式資料と、元フセイン政権関係者らへの数千時間に及ぶ尋問を元に作成された。フセイン政権はパレスチナ武装勢力など中東のテロリスト組織と関係していたものの、2001年9月11日の米同時テロを実行したと見られるアルカイダとの間に明白な関係性は見つからなかったとしている。

 2007年に9.11調査委員会(September 11 commission)も同様の結論を報告していた。

 ABCテレビは、米国防総省が当初は報告書を同省ウェブサイトに掲載するとしていたが、その後方針を転換し、インターネット上での公開や記者への配布を取りやめて個別の要望に基づく郵送での提供のみとしたと指摘。報告書の内容を隠ぺいしようとした可能性を示唆した。

 国防総省報道官は13日、統合軍司令部が報告書をネットで公開しないことについて「理由がわからない」と述べるとともに、公開を制限しようとの意図を否定した。(c)AFP