【3月14日 AFP】イスラエル軍は13日、パレスチナ武装組織がロケット弾攻撃を再開したことを受け、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を空爆した。事実上の停戦が5日間で崩壊したことで、中東和平交渉への影響が懸念される。

 ヨルダン川西岸(West Bank)のベツレヘム(Bethlehem)で12日、イスラエル軍の特殊部隊がイスラム原理主義組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」の幹部2人を含むパレスチナ人戦闘員4人を殺害した。

 これに対しパレスチナ武装組織は同日夜、ガザ地区内からイスラエルに向け十数発のロケット弾を発射。続いて同日未明、イスラエル軍機がガザ北部に空爆を行った。パレスチナ武装組織はさらに十数発のロケット弾で応酬した。

 一連の攻撃による犠牲者はないものの、報復合戦とも言える状態に、中東和平やガザ地区封鎖の解除にむけた国際的な取り組みは危機的状況に追い込まれた。

 アッバス議長は新たな攻撃を「野蛮な犯罪行為」だと非難する異例の強い抗議声明を発表。一方、イスラエルのエフド・バラク(Ehud Barak)国防相は、攻撃の継続を明言している。(c)AFP/Sakher Abu El Oun