【3月7日 AFP】米アップル(Apple)は6日、多機能携帯電話「iPhone」のアプリケーションソフト開発キットを社外開発者に公開した。iPhoneの普及拡大と、ライバル携帯情報端末「ブラックベリー(BlackBerry)」の市場シェアを奪う狙いがある。

 カリフォルニア(California)州クパティーノ(Cupertino)のアップル本社で招待者向けに行われたイベントで、アップルのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)最高経営責任者(CEO)は、iPhoneを完全に自由にさせるのではなく、開発されたアプリケーションソフトは十分に吟味した上で新たに立ち上げるアップル専用サイトApp Storeを通じてのみ提供すると述べた。

「(無償公開は)ソフト開発者に多くの恩恵をもたらし、より多くの消費者がiPhoneの価値を認め購入することを期待している。今回の無償公開はオープンソースではなく利益を追求するプロジェクトだ」(ジョブズ氏)

 iPhone用アプリケーションは、通話機能を持たないiPod touchでも利用できる。アプリケーションの価格設定はソフト開発者に任せ、App Storeでの売り上げの70%を開発者に提供し、30%はApp Storeの運営費に充てる。

 また、マッキントッシュ(Macintosh)で動作するiPhone用アプリケーション開発用ソフトもアップルのウェブサイトで提供する。利用を希望する人は99ドル(約1万120円)を支払ってアップルに登録することが必要だが、これは悪意のあるソフトウェアの開発を防ぐため、各アプリケーションの開発者を把握するためだ。

 ジョブズ氏によると、すでに数千人の技術開発者がiPhone開発用ソフトのベータ版を入手しているという。
 
 さらに、イベントに出席したクライナー・パーキンズ・コーフィールド&バイヤーズ(Kleiner Perkins Caufield & ByersKPCB)のベンチャーキャピタリスト、ジョン・ドゥアー(John Doerr)氏は、「iPhone」用のソフトを開発する企業化に投資する「iファンド(iFund)」の設立を発表した。ファンドの規模は1億ドル(約102億円)で、米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の800万ドル(約8億1700万円)、検索最大手グーグル(Google)の2400万ドル(約24億5300万円)を大きく上回る。(c)AFP/Glenn Chapman