【3月7日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は6日、緊急協議を開催し、学生8人が死亡したエルサレム(Jerusalem)のユダヤ教神学校での銃乱射事件について非難する決議案を協議したが、リビアなど3か国が反対を表明し、リビアとイスラエルが非難と侮辱を応酬する結果となった。

 ザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)米国連大使は、「合意に達することができなかった。リビアほか2か国が、自らの行為に対する非難を避けるため反対にまわったからだ」と、15か国による緊急協議の最後に記者団に述べた。

 米代表団は、エルサレムでの流血事件に対して「極めて強い表現の」非難声明を全会一致で採決することを目指していたが、アラブ圏からの唯一の理事国であるリビアと、それに同調するほか2か国が「(この事件を)ほかの問題と関連させようとした」と、同大使は述べた。

 リビア代表団は先週、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で「子どもを含む無実の民間人を殺害している」としてイスラエルを非難する決議案を提出していた。きょうの緊急会議では、同非難決議案も協議されるべきであると会議前に述べていた。

 イスラエルのダン・ギラーマン(Dan Gillerman)国連大使は、安保理での非難決議が暗礁に乗りあげたことに怒りを示し、過去に「ロッカビー事件」を引き起こした「テロリスト国家」としてリビアを非難した。

 ロッカビー事件は、1988年に英ヒースロー(Heathrow)空港を離陸したパンアメリカン航空機がスコットランドのロッカビー(Lockerbie)村の上空で爆破された事件で、リビア政府が関与したテロ事件として国際問題になった。(c)AFP