【3月4日 AFP】全地球的な問題に取り組むシンクタンク「TED(Technology, Entertainment and Design)」が前週カリフォルニア州モントレー(Monterey)で開催した会議には、女優キャメロン・ディアス(Cameron Diaz)、コメディアンのロビン・ウィリアムズ(Robin Williams)ら多数の芸能人も参加、深刻な諸問題について専門家らと意見を交換した。

 貧困、環境破壊、紛争といった全地球的な問題を各界の著名人、学者がフレンドリーに話し合う場を提供するTEDには、アル・ゴア(Al Gore)元米副大統領や歌手のポール・サイモン(Paul Simon)、女優ゴールディ・ホーン(Goldie Hawn)らもメンバーに名を連ねている。

 会場ではロビン・ウィリアムズが、イラクの旧アブグレイブ(Abu Ghraib)刑務所におけるイラク人被収容者虐待事件に関するおぞましい写真に見入っていた。

 向こうでは、ソファに深々と座ったキャメロン・ディアスが髪をいじりながら、古生物学者の「人類黄金期の終焉」に関する講義に耳を傾けている。「TEDはすばらしいわ。TEDはわたしの人生を変えてくれた」と、ディアスは語る。

 ヨルダンのノア女王(Queen Noor)は、グーグル共同設立者のサーゲイ・ブリン(Serge Brin)氏や「ウォーターゲート(Watergate)事件」を暴露したジャーナリスト、カール・バーンスタイン(Carl Bernstein)氏と、インターネットとニュースの今後について議論。アカデミー賞俳優フォレスト・ウィッテカー(Forest Whitaker)は、二酸化炭素(CO2)を吸う新しい生命体の開発に関する遺伝学者の講義後、ウガンダのジャーナリストと意見を交わした。

「TEDは(見る人によって違う)雲の形のようなもの。物事をこれまでとはまったく違った角度で見る場所なのです」。ある参加者のこの言葉は、イベントを盛り上げる音楽などのパフォーマンスにも表れているようだ。大理石やどんぶりを用いた楽器で演奏する人たちの姿も見られた。トーマス・ドルビー(Thomas Dolby)率いるバンドによる、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)ヒット曲のザイデコ・バージョンだ。

 ヨガの呼吸法を講義したインド人宗教指導者、シュリ・シュリ ラビ・シャンカール(Sri Sri Ravi Shankar)さんは、「わたしたちは暴力やストレスのない世界を必要としている。わたしたちは、自分自身を宇宙の文脈の中で見つめなければならないだろう」と語る。

 今年は「悪はまん延するか」「どのようにして世界を変えられるか」といった講義も行われた。

 グーグル(Google)提供のカフェでは、エスプレッソ、酸化防止効果のあるジュース、オーガニックスナックが無料で食べ放題、飲み放題だ。また、マッサージ・セラピストのサービスも用意されている。
 
 TEDは毎年、世界をより良く変えるプロジェクトを実行する科学者ら3人にTED賞(賞金10万ドル)を授与しているが、今年は「アフリカのアインシュタイン(Einstein)」発掘プロジェクトを立ち上げた宇宙学者Neil Turok氏らに授与された。(c)AFP

TEDの公式ウェブサイトHP(英語)