【3月4日 AFP】与野党の指導者が連立政権樹立に向けた合意文書に前週、調印したばかりのケニアで、新たな襲撃があり、少なくとも15人が死亡した。地元警察当局が3日、明らかにした。一方、与野党間の協議は週末を挟んで再開され、詳細の議論に移った。

 襲撃は、リフトバレー(Rift Valley)州Trans Nzoiaで発生。警察当局によると、死者数は15人。なたや銃で武装した襲撃者が就寝中の被害者らを襲い、6人が自宅で焼き殺され、6人がなたで切りつけられ死亡、3人が射殺されたとしている。

■与野党間の協議は各論の協議へ

 一方、与野党は、新たな仲介役を迎え、首都ナイロビ(Nairobi)で協議を再開した。権力分担や前年から続く民族対立の解決にむけた与野党間の協議は前週末、合意に達していた。

 新たな仲介役には、ナイジェリアのオルエミ・アデニジ(Oluyemi Adeniji)元外相が就任した。前任のコフィ・アナン(Kofi Annan)前国連(UN)事務総長は2日、与野党間が合意に達したことでケニアを離れた。

 協議の中心は、改革案に集中している。具体的には、長年にわたる不公正の解決や無責任体質と汚職を解消するための選挙や制度、憲法、司法などの問題への取り組み、政府の透明性と説明責任を強化することなどだ。また、土地改革や貧困、失業、格差対策などについても協議が行われている。

 ムワイ・キバキ(Mwai Kibaki)大統領と野党オレンジ民主運動(Orange Democratic MovementODM)のライラ・オディンガ(Raila Odinga)党首は前月28日、首相職の設置と2つの副首相職の設置で合意している。また、12か月以内の憲法見直しも合意されている。(c)AFP/Bogonko Bosire