【2月29日 AFP】8月の北京五輪開幕を前に北京首都国際空港(Beijing Capital Airport)の新ターミナルが29日、オープンした。五輪開催時に観光客が殺到し混雑が予想されることから、27億ドル(約2900億円)を投じて建設された。

 商業便第1号として新ターミナルに到着したのは中国の山東航空(Shandong Airlines)の旅客機。同機は午前9時(日本時間午前10時)ごろに無事、新ターミナルに到着した。

 このほか、英ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)や豪カンタス(Qantas)航空を含む5社が同日、新ターミナルで営業を開始。さらに19社が3月25日に新ターミナルに移転する。

 巨大な龍をイメージしたという新ターミナルビルの設計は、世界的な建築家ノーマン・フォスター(Norman Foster)氏が手がけた。建物の先端は龍の尾のように細長く、屋根にはうろこに見たてた三角形の天窓がいくつも付いている。

 現代中国のめざましい発展ぶりと同様に、新ターミナルの規模も驚異的だ。巨額の建設費に加え、ターミナルビルの全長は3.25キロ、床面積98ヘクタールで、サッカーコート170面分の広さに相当する。

 前年に同空港を利用した旅客数は4800万人だったが、北京五輪が開催される今年は6000万人に達すると見込まれている。しかし、同空港のこれまでの旅客処理能力は年間3500万人だったため、新ターミナルの建設を急いでいた。

 新ターミナルのオープンにより旅客処理能力は7600万人に拡大し、北京五輪にも十分対応できるとみられる。完全オープン後は毎日、1590の発着便と約20万8000人の旅客をさばけるようになる。(c)AFP/Guy Newey