【1月28日 AFP】英国で15年前に死亡したと思われていた男性が、偽名で国民手当を受け取ろうとして、生存していた事実が発覚する事件があった。男性はまったく健康だった。

 28日の英タブロイド紙サン(Sun)によると、男性の本名はWalter Dominy氏。溺死したと思われていたが実際は健在でフランスに住んでおり、以前の隣人の氏名などを悪用し手当を受け取ろうとしたところ、不正が発覚した。

 カヌー航海中に失踪したとして保険金などをだまし取っていたことが最近露見したジョン・ダーウィン(John Darwin)容疑者と妻のアン容疑者の事件と同様のケース。

 Dominy氏の娘のLornaさん(41)によると、現在71歳の同氏は1993年10月、フェリー乗船中に失踪。債権者と税務当局に夫婦で20万ポンド(約4200万円)の負債がある旨を記載した遺書が自家用車に残されていた。

 しかし同氏は3か月後、北アイルランドへ戻って妻と一緒に新生活を始め、Kealyという偽名で就職。約2年前に退職してフランスへ移住したという。

 Lornaさんは同紙に「わたしはこれ以上、嘘や偽りと一緒に生きていくことはできない。愛していた親に子どもがこれほどひどく欺かれるとは。わたしを含め兄弟全員がとても怒っている」とコメントしている。(c)AFP