【1月13日 AFP】台湾のメディアは13日、前日投開票された台湾立法院選挙で与党・民主進歩党(民進党、Democratic Progressive PartyDPP)が大敗した要因について、国民が陳水扁(Chen Shui-bian)総統に対する失望を表わした結果だと報じた。

「総合新聞網(United Daily News)」は同日の社説で「DPPは崩壊した」と述べ、「有権者の大多数が陳氏への不信任投票を投じた。8年間のDPP政権に対し、大半の有権者がいかに愛想を尽かしているかを示した究極の評価だ」と論じた。

「中国時報(China Times)」は「人々は投票によってDPPに教訓を与え、野党・国民党(KuomintangKMT)にチャンスを与えた」と分析した。伝統的にDPPの勢力基盤である南部でも今回は従来と異なり、DPPが振るわなかったと述べた。

 DPPは14日の党幹部による会合で、謝長廷(Frank Hsieh)元行政院長(首相)を主席に選出するとみられるが、3月の次期総統選では国民党の総統候補、馬英九(Ma Ying-jeou)前主席を相手に苦戦を強いられるとの見通しが濃厚だと同紙は報じている。「今回の選挙結果にみられた両党に対する世論の支持の差は圧倒的。(KMTの)優勢をさらに勢いづける効果を生む可能性のほうが高い」(中国時報)。「DPPの望みは薄い。総統選の勝利は、幸運に賭けているだけではだめだ」とした総合新聞網も同じ論調だ。

 一方、「自由時報(Liberty Times)」はDPPに対し、選挙での敗北を受け今こそ本当に求められる変革を行う必要があると説き、陳氏の党首辞任は最初の一歩に過ぎないと論じた。「DPPが来たる総統選に向けて自覚している不利な立場を覆したいならば、有権者の意思を反映し、彼らの心を取り戻す改革が必要だ」と同紙は主張した。(c)AFP