【1月2日 AFP】米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency:USADA)は1日、2006年にドーピング検査で陽性となり同年に記録した世界記録を剥奪されていたジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin、米国)に対し、4年間の出場停止を課す事を発表した。

 処分は2006年4月22日にカンザスシティーで行われた競技会でのリレー出場後のドーピング(禁止薬物使用)検査で筋肉増強作用のある男性ホルモンのテストステロン(testosterone)が検出されたことに起因しており、2001年にアンフェタミン(合成覚せい剤)を使用していたガトリンは再犯として扱われているが、同選手がスポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration for Sport:CAS)に対して評決を上訴すれば最終決定が下されるのは20か月延期される。

 米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙は1日付けでガトリンに近い人物の話として、北京五輪に出場する望みを絶たたれる決定を受けた同選手は落胆していたと報じている。

 処罰は通常、ドーピング初犯の選手には2年の出場停止、再犯の選手には永久資格停止が課せられるが、2007年7月29日から31日にかけて行われたガトリンに関する審理に参加した3人の裁定委員のうち2人は、処罰が4年以下の出場停止処分で済まされることはないと語っていた。

 今回の結果についてUSADAのトラビス・タイガート(Travis Tygart)会長は「ガトリン氏が自身の陽性反応の結果を受けた後、当局に協力したことは賞賛されるべきだ。しかしながら、そういったものが2回目のドーピング違反に対する彼の責任を完全に取り去ることはない。彼の協力と初犯の状況を前提とすれば、委員会による4年間の出場停止は公明正大でもっともな結果だといえる」とコメントした。(c)AFP/Jim Slater