【12月30日 AFP】イラク内務省は29日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)がイラク国内に持つネットワークのうち4分の3を過去1年間で破壊したと発表した。

 イラク内務省のAbdul Karim Khalaf報道官によると、イラク国内での暗殺や誘拐、武装勢力による殺人件数なども軒並み減少している。

 イラクの治安情勢改善における要因として、サウジアラビアおよびシリア国境沿いの巡回の強化により、武装勢力の侵入が減ったことがあげられるという。同報道官は「アルカイダの潜伏場所のうち75%を破壊した。また首都バグダッド(Baghdad)でアルカイダを支援する主要な犯罪ネットワークも解体した」と発表した。 

 イラク当局は、アンバル(Anbar)州でアルカイダの拠点となっていた隠れ家を撤去した後、バグダッド周辺地域およびディヤラ(Diyala)州内に作戦を移行したという。「アルカイダが北へ移動したので、われわれも後を追った」(Khalaf報道官)

 誘拐件数は全体で70%減った。またバグダッド周辺では、2月には1日平均15-20人が武装勢力に殺害され遺体で発見されていたが、現在はこうした犠牲者は1日3-5人まで減っている。

 武装勢力や犯罪組織とのつながりを持つ人物は、イラクの治安部隊周辺からは一掃されているという。また、スンニ派教徒らと米軍の同盟関係による対アルカイダ作戦も、襲撃や抗争の減少に重要な役割を果たしていると語った。(c)AFP