【12月19日 AFP】(一部更新、写真追加)19日投票、即日開票の韓国大統領選挙で、保守系野党ハンナラ党(Grand National PartyGNP)の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)候補が圧勝し、10年に及んだ左派路線からの政権交代が決定した。

 李明博氏は建設会社会長、ソウル(Seoul)市長などを務めた経歴を持つ富豪で、韓国経済の再活性化と対北朝鮮外交での強硬路線を公約していた。各出口調査や部分的な選挙結果の発表などで李明博氏の勝利が示されると、2人の対立候補は敗北を宣言した。

■李明博氏が得票率48.7%で圧勝
 
 熱気に包まれたハンナラ党本部で、李明博氏は有権者に向けて「今日みなさんは私に圧倒的な支持を与えてくれた。丁寧に謙虚にみなさんに仕え、危機に直面している国の経済の復興に全力を尽くす」と勝利を宣言した。

 2位だった与党寄りのリベラル派候補、大統合民主新党(United New Democratic PartyUNDP)の鄭東泳(チョン・ドンヨン、Chung Dong-Young)氏は、出口調査で25ポイント前後の差をつけられ、「人々の選択を謙虚に受け入れる」と敗北を認めた。右派系無所属の李会昌(イ・フェチャン、Lee Hoi-Chang)候補は3位だった。

 開票作業は終了し、各候補の最終得票率は李明博氏が48.7%、鄭東泳氏が26.1%、李会昌氏が15.1%だった。

■経済政策訴え支持集める

 韓国社会は若者の失業問題やかつてない所得格差、不動産価格の高騰などに悩まされており、「第1に経済を!」の選挙スローガンを掲げた李明博氏が、株価操作疑惑に絡む再調査が決定しているにもかかわらず空前の支持を集めた。

 ハンナラ党本部は壁のスクリーンに出口調査の結果が点滅するといっせいに喜びに沸き、幹部や支持者らが万歳を叫びながら、喜びの涙を見せたり抱き合ったりした。街頭では氷点下近い気温の中、数千人が李氏の名前を唱えながら花火をあげたり踊るなどして勝利を祝った。

 李氏は選挙当日のこの日、66歳の誕生日を迎えた。大統領に選出された経済界出身者は同国初で、また刑事事件の捜査を控える初の次期大統領ともなる。2008年2月25日に、現大統領の盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo-Hyun)氏と交代し、次期大統領に就任する。

(c)AFP/Park Chan-Kyong