【12月13日 AFP】サッカーイングランド代表監督への就任が噂されるファビオ・カペッロ(Fabio Capello)氏が12日、イングランドサッカー協会(Football AssociationFA)との会談を行い、監督就任が現実味を帯びてきた。

 カペッロ氏とFAの最高責任者のブライアン・バーウィック(Brian Barwick)氏、フットボールディレクターを務めるトレバー・ブルッキング(Trevor Brooking)氏が出席して開かれた会合についてFAの広報を務めるエイドリアン・ベヴィントン(Adrian Bevington)氏は、「議論が非常に有意義で滞りなく行われたことに満足している。ファビオ・カペッロ氏は私用のため既にイタリアへ帰国したが、さらなる協議は現在もカペッロ氏のアドバイザーと我々の間で行われている」と交渉の経過を明らかにした。

 チェルシーを9月に退団したジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏が10日にスティーヴ・マクラーレン(Steve McClaren)前監督の後任として代表監督へ就任することを辞退したのを受け、最有力候補となったカペッロ氏は約16年間の監督生活で9度のリーグ優勝(内2回は剥奪)と欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)制覇(1994)を果たしており、FAが求めている「ワールドクラス」の監督候補となっている。

 FAのバーウィック氏が後任人事を始める前に、相談役としてその選考へ影響を与えた一人であるアーセナル(Arsenal)のアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督は「ファビオのことは前から知っているし、候補としての資質は群を抜いている。ファビオは実力があり強烈な個性を持っていると思う。彼は自分が何をしたいか明確な考えを持っているし、何かを確信したときは最後までやりきれる。私は有能な監督とは趨勢に逆らえる人物だと考えていて彼にはそれが出来ると思うし、それはこの国では非常に必要な事だ」と語った。

 さらにマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督も「代表監督にとって大切な事は、代表チームを率いる為にはそれなりの年齢に達していて十分な経験が必要ということで、貫禄や経歴がしっかりしていなければならないのは議論の余地もない。それをカペッロは全て持ってる。色々な局面を通して得た経験を持っているということは非常に大事なことで、彼にとって代表監督を務めるのは非常に良いタイミングだと思う」とカペッロ氏の就任を支持した。

 欧州選手権2008(Euro 2008)・予選敗退に終わったイングランド代表は、9月に始まる2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)の欧州予選が始まるまで公式戦は組まれておらず、次戦は2008年2月6日にウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われるスイス戦となっている。

(c)AFP/Julian Guyer