CIA長官、尋問テープ破棄問題で上院委員会へ
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【12月13日 AFP】(写真追加)米中央情報局(CIA)が国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)幹部らに対する尋問の様子を収録したとされるビデオテープを破棄していた問題で、上院情報特別委員会は11日、マイケル・ヘイデン(Michael Hayden)CIA長官を召喚し、非公開の公聴会を開いた。この問題ではテロ容疑者らを尋問した元CIA担当官が「水責め」を行ったと報道関係者に語っている。
ヘイデン長官は前週、CIAが尋問の様子を撮影したとされるビデオテープが2005年に破棄されていたことを自ら明らかにした。2005年当時、米議会は、キューバのグアンタナモ湾(Guantanamo Bay)にあるグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地の収容施設に拘束されていた「テロとの戦い」の容疑者らに拷問が行われてきた可能性について調査を行っていた。
■CIA幹部、公聴会へ一斉呼び出しか
11日の委員会で同長官は厳しく追及されたとみられるが、公聴会後の会見では、この件は2006年の長官就任前に起こったため、自分は事実のすべてを提供することはできないと語った。そして委員会に対し、公聴会での質問に回答できる人物を準備するよう約束したという。
ブッシュ政権は拷問を行っていないと主張しているが、ヘイデン長官は12日の下院情報特別委員会でいっそう厳しい質問を受けると見られる。
上院情報特別委員会のジョン・ロックフェラー(John Rockefeller)委員長は、近日中にJohn RizzoCIA法務顧問、John Helgerson同監察長官の召還を予定していると報道陣に明かした。また、実際にテープ破棄の決断を下したとされるCIA付属の秘密情報機関の元長官ホセ・ロドリゲス(Jose Rodriguez)氏も召還する可能性があるという。
■連邦裁は政府に証拠保存命令
同じく11日には、米連邦高等裁判所が政府に対し、CIAによる拘束中に拷問を受けたというグアンタナモの被収容者、マジド・カーン(Majid Khan)容疑者の主張に関する証拠の保全を命じた。この予備的命令は、政府に対し、カーン容疑者の主張を評価する際に利用した証拠すべての保護を義務付けた。
パキスタン国籍のカーン容疑者は、メリーランド(Maryland)州ボルティモア(Baltimore)在住の合法滞在者だった。2006年にグアンタナモへ移送される以前にCIAによって3年間にわたり、秘密裏に拘束され、拷問を受けたと主張している。だが、政府は「米国は拷問を行わない」と繰り返し強調している。
一方、2005年のCIAによるビデオテープ破棄に関し、民主党は政府の説明に不信感と怒りをあらわにしている。民主党のハリー・リード(Harry Reid)上院院内総務は11日、公聴会に先立ち「テープ破棄の責任者は誰だ。何か隠していたことがあったのか。司法妨害の可能性が非常に高い」と糾弾した。
■疑惑深まる「適切な時機」のテープ破棄
また同党のJane Harman下院議員は、テープ破棄の時機から証拠隠ぺいの可能性が大きく疑われていると語る。「2005年はまさしく、上下両院の情報特別委員会で、尋問手法の規定について議論されていた。また、複数の連邦裁判所から各情報機関に対し、尋問に関連するすべての情報提出が要請されていた時期だ」とハーマン議員は強調する。
司法省およびCIA内部の監察機関はすでに、ビデオテープ破棄に関する予備調査を開始しており、本格的な捜査への移行が期待されている。
アルカイダ関連で同じく収容されているアブ・ズベイダ(Abu Zubaydah)容疑者の拘束と尋問の担当チームを率いた元CIA工作員、ジョン・キリアコウ(John Kiriakou)氏は、「水責め」の使用は拷問だと認めた上で、しかし必要な措置で、重要情報を引き出すことができたと発言している。
キリアコウ氏は11日、米テレビ局NBCに対し、水責め手法の使用は「国家安全保障会議(National Security Council)と司法省の同意を得て、ホワイトハウス(White House)が決定した」と発言した。(c)AFP
ヘイデン長官は前週、CIAが尋問の様子を撮影したとされるビデオテープが2005年に破棄されていたことを自ら明らかにした。2005年当時、米議会は、キューバのグアンタナモ湾(Guantanamo Bay)にあるグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地の収容施設に拘束されていた「テロとの戦い」の容疑者らに拷問が行われてきた可能性について調査を行っていた。
■CIA幹部、公聴会へ一斉呼び出しか
11日の委員会で同長官は厳しく追及されたとみられるが、公聴会後の会見では、この件は2006年の長官就任前に起こったため、自分は事実のすべてを提供することはできないと語った。そして委員会に対し、公聴会での質問に回答できる人物を準備するよう約束したという。
ブッシュ政権は拷問を行っていないと主張しているが、ヘイデン長官は12日の下院情報特別委員会でいっそう厳しい質問を受けると見られる。
上院情報特別委員会のジョン・ロックフェラー(John Rockefeller)委員長は、近日中にJohn RizzoCIA法務顧問、John Helgerson同監察長官の召還を予定していると報道陣に明かした。また、実際にテープ破棄の決断を下したとされるCIA付属の秘密情報機関の元長官ホセ・ロドリゲス(Jose Rodriguez)氏も召還する可能性があるという。
■連邦裁は政府に証拠保存命令
同じく11日には、米連邦高等裁判所が政府に対し、CIAによる拘束中に拷問を受けたというグアンタナモの被収容者、マジド・カーン(Majid Khan)容疑者の主張に関する証拠の保全を命じた。この予備的命令は、政府に対し、カーン容疑者の主張を評価する際に利用した証拠すべての保護を義務付けた。
パキスタン国籍のカーン容疑者は、メリーランド(Maryland)州ボルティモア(Baltimore)在住の合法滞在者だった。2006年にグアンタナモへ移送される以前にCIAによって3年間にわたり、秘密裏に拘束され、拷問を受けたと主張している。だが、政府は「米国は拷問を行わない」と繰り返し強調している。
一方、2005年のCIAによるビデオテープ破棄に関し、民主党は政府の説明に不信感と怒りをあらわにしている。民主党のハリー・リード(Harry Reid)上院院内総務は11日、公聴会に先立ち「テープ破棄の責任者は誰だ。何か隠していたことがあったのか。司法妨害の可能性が非常に高い」と糾弾した。
■疑惑深まる「適切な時機」のテープ破棄
また同党のJane Harman下院議員は、テープ破棄の時機から証拠隠ぺいの可能性が大きく疑われていると語る。「2005年はまさしく、上下両院の情報特別委員会で、尋問手法の規定について議論されていた。また、複数の連邦裁判所から各情報機関に対し、尋問に関連するすべての情報提出が要請されていた時期だ」とハーマン議員は強調する。
司法省およびCIA内部の監察機関はすでに、ビデオテープ破棄に関する予備調査を開始しており、本格的な捜査への移行が期待されている。
アルカイダ関連で同じく収容されているアブ・ズベイダ(Abu Zubaydah)容疑者の拘束と尋問の担当チームを率いた元CIA工作員、ジョン・キリアコウ(John Kiriakou)氏は、「水責め」の使用は拷問だと認めた上で、しかし必要な措置で、重要情報を引き出すことができたと発言している。
キリアコウ氏は11日、米テレビ局NBCに対し、水責め手法の使用は「国家安全保障会議(National Security Council)と司法省の同意を得て、ホワイトハウス(White House)が決定した」と発言した。(c)AFP