【11月28日 AFP】ロシア政府は27日、12月2日に下院選挙を控え、欧米から激しい非難を浴びている野党支持者らの大量拘束について擁護する発言を行った。

 インタファクス(Interfax)通信によると、ビクトル・ズブコフ(Viktor Zubkov)露首相は、前週末にモスクワ(Moscow)とサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で行われた抗議デモで、警察機動隊が野党支持者200人以上を拘束し、さらに元チェス世界王者で野党指導者ガルリ・カスパロフ(Garry Kasparov)氏を投獄したことについて、「極めて適切な行動」と擁護した。

 今回のデモ取り締まりにより、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領率いる与党の統一ロシア(United Russia)が、反大統領派を抑圧して圧勝を狙っているとの論争が過熱。

 プーチン大統領は、外国政府がロシアの内政問題に「首を突っ込んでいる」と訴え、特に米政府については、欧州の選挙監視団に下院選挙をボイコットするよう圧力をかけ、選挙結果の信用性を傷つけようとしていると非難している。

 訪米中のセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相も、ロシア政府に対し言論の自由および抗議の権利を保証するよう要求するのは「無用だ」と主張している。

 また、チェカリン(Alexander Chekalin)内務次官は、「法律に準じない」との理由で選挙運動用のチラシ540万部を押収、現在調査中と明らかにした。

 内務次官は詳細には触れなかったものの、これに先立ち、右派連合(Union of Right ForcesSPS)やヤブロコ(Yabloko)などの小政党は、機関紙の発行に対する嫌がらせや脅迫を受けていると訴えていた。(c)AFP/Sebastian Smith