【11月26日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は26日、来る同国の下院選挙の信用を米国が傷つけようとしているとして、米政府を非難した。プーチン大統領は米国が国際監視団に対し、同選挙を拒否するよう圧力をかけていると主張した。

 12月2日の投票日を1週間後に控え、プーチン氏は自身の本拠地サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で行った演説で、米国に矛先を向けた。ロシアでは週末、サンクトペテルブルクで反大統領デモを行った野党支持者が警察に弾圧されたばかり。また、首都モスクワ(Moscow)では元チェス世界王者の野党指導者ガルリ・カスパロフ(Garry Kasparov)氏が拘束され禁固処分を受けた。

 プーチン大統領は、欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)が予定していたロシアへの選挙監視団派遣を断念したのは、米国内務省の提言による結果だとし、「両国間関係においてこのことは考慮する」とけん制し、さらに「目的は今回の選挙の信用を失墜させようとするものだ。しかし彼らはその目標を達成できないだろう」と述べた。

 OSCEは監視団派遣断念の理由について、ロシア政府の協力が得られなかったためと説明している。

 プーチン氏はこの日、自身が育ったロシア第2の都市サンクトペテルブルクで、新規の住宅開発計画を視察した後、ロシア軍兵士の家族らと面会した。

 ロシア上院は同日、次期大統領選の投票日を2008年3月2日に決定した。ロシア憲法では大統領の3選は禁じられているため、プーチン氏は出馬できないが、同氏は自身が率いる「統一ロシア(United Russia)」の候補者名簿における筆頭候補として今回の総選挙に出馬を表明している。(c)AFP/Olga Nedbayeva