【11月25日 AFP】サイクロン「Sidr」の来襲を受けたバングラデシュ南部に25日、同国沖に停泊中の米海軍の強襲揚陸艦キアサージ(USS Kearsarge)から海兵隊員が上陸、軍主導の救援活動が強化された。国際的支援も続々と到着している。

 専門家によると、15日に上陸した「Sidr」は、同国観測史上2番目に大きなサイクロンだという。政府によると、このサイクロンにより3400人以上の死亡が確認され、推計36万人が家を失った。

 最も大きな被害を受けたバルグナ(Barguna)地方の救援活動を取り仕切る海軍当局者は「救援活動は国、組織、民間慈善団体などからの支援が届くにつれ速度を増している。 物流への支援も徐々に増えてきている」と語った。

 事実上すべての生存者が既に少なくとも2回、支援物資を受けとったとみられるが、すべての被災者に十分な支援物資が行き届くまでには数週間かかる見通しだという。

 米大使館当局によると、キアサージの海兵隊員は2日目の援助活動を実施中で、飲料水などの救援物資を空輸している。

 沿岸部では飲料水に塩水が混入しているところも多く、救援隊によると、最大の問題はきれいな飲料水の欠如で、水から感染する伝染病のまん延が懸念されている。

 当局によると、依然1734人が行方不明になっているが、その多くは高潮にさらわれた可能性が高く、犠牲者数が増えるのは確実だという。(c)AFP