【東京 22日 上間常正】写真家篠山紀信(Shinoyama Kishin)が映画『バベル(Babel)』でいま世界的に注目されている女優菊地凛子(Rinko Kikuchi)を撮り下ろした写真集「RINKO」(朝日出版社 定価3900円)が出版された。東京・銀座のシャネル・ネクサスホールで24日まで、作品の一部を展示した写真展「RINKO」が開かれている。

 写真のロケ地はハワイ。シャネル(CHANEL)のオートクチュールドレスなどの衣装に身を包んだ菊地が、溶岩や砂浜、さびれた街中などを背景に、奔放で野生的な姿態と表情を見せている。いわゆるセクシーなポーズではないが、篠山の挑戦的なカメラ・アイに応えた、菊地の内側からこぼれ出したような濃厚なエロティシズムが感じられる。

 ネクサスホールで19日に開かれた記念レセプションで、菊地は「自分の内にある女性の複雑な部分。撮影中はそれをどういう風に見てもらえるか、と考えていた。思っていた以上にそれを引き出されてしまったようです」とコメントした。篠山は「強い光と影の中で、彼女のパワーがどういう化学反応を示すか、という期待があった。まだ撮りきれていない、もっと撮り続けていきたいと思う」と語った。

 シャネルのリシャール・コラス(Richard Collasse)社長は「凛子さんには美しさや個性以上のすごいオーラがある。そのうち必ずアカデミー賞が取れると信じている」とエールを送った。写真展は入場無料。午後8時まで。(c)MODE PRESS