【11月11日 AFP】パキスタンの核兵器がテロリストなどの手に渡ることを懸念する米国は、核兵器の確保を目的にした危機管理計画を導入する一方で、政府内にはパキスタンの核兵器の状況についての十分な情報が欠けていることを懸念する声もある。ワシントン・ポスト(Washington Post)が11日に報じた。

 米政府高官は同紙に対し「確信を持って(核兵器が)どこにあるかを知っているとは言い難い」と語り、米国が核兵器の流出を阻止しようとした場合、大きな混乱が生じる可能性を指摘した。

 同紙は2つの関係筋の話として、米情報機関はその危険性を重視し、パキスタンの核兵器流出を阻止するための危機管理計画をかなり以前から準備してきたという。

 最良のシナリオではパキスタン軍の協力が得られるが、協力が得られない場合も想定されている。

 米政府関係筋は、現在のところパキスタンの核兵器は安全だと考えているが、現在の政治的混乱が続いたり悪化したりした場合、危険性が増すと指摘、不安材料としてパキスタン軍や情報機関幹部の動向を挙げた。(c)AFP