【10月31日 AFP】カリブ海上で発生した熱帯低気圧「ノエル(Noel)」による死者が少なくとも43人にのぼることが、カリブ沿岸各国の調べで判明した。

 30日夜、ドミニカ共和国とハイチが二分するイスパニョーラ(Hispaniola)島に上陸した「ノエル」は水害などの被害をもたらしたあと、現在はキューバに上陸し同国内陸部をゆっくりと移動している。

「ノエル」が上陸したドミニカ共和国では数週間の降雨で地盤が緩み、洪水や土石流が発生。少なくとも30人が死亡、15人が行方不明となっている。また、同国のNational Emergency Committeeによると、約2万人が避難を余儀なくされた。

 ハイチでは9人が死亡、11人が負傷し3000人が避難した。首都ポルトープランス(Port-au-Prince)のAFP記者の情報によると、倒木により倒壊した家屋の下敷きになって14歳の少女と母親が犠牲になったという。

「ノエル」の上陸に伴いドミニカ共和国、ハイチ両国の空港も閉鎖された。

 ハイチのジャックエドゥアール・アレクシス(Jacques-Edouard Alexis)首相は「ノエル」による被災者支援対策費150万ドル(約1億7000万円)の補正予算を計上すると発表。

 またレオネル・フェルナンデス(Leonel Fernandez)ドミニカ共和国大統領も緊急閣議を召集し、300万ドル(約3億4000万円)の被災者救済措置を発表した。

 このほかキューバでも、これまでに2000人が自宅から避難した。

「ノエル」はキューバを横断後、30日夜か31日にはキューバ北方沖の海上に進むとみられる。(c)AFP