【10月31日 AFP】レバノン国民議会の多数派、反シリア連合のリーダー、サアド・ハリリ(Saad Hariri)議員は30日、訪問先のカイロ(Cairo)で記者会見し、自身とフラド・シニオラ(Fuad Siniora)首相の暗殺計画にシリア政府が関与したことを示す証拠があると言明した。

 暗殺計画にバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)シリア大統領の義兄で情報機関トップのアセフ・シャウカト(Assef Shawqat)氏の関与が疑われていることについて、ハリリ議員が回答した。

 ハリリ議員の父親ラフィク・ハリリ(Rafiq Hariri)元大統領が2005年2月に爆弾攻撃で殺害されて以来、レバノンの反シリア派要人が相次いで暗殺されている。

 国連(UN)が行った元大統領暗殺事件の初期捜査では、シリア政府およびレバノンの親シリア派の関与が疑われ、2005年後半に親シリア派の治安当局幹部4人が逮捕されている。これに対し、シリア政府は関与を一切否定している。

■新大統領選出で親・反シリア派が対立

 レバノンでは現在、親シリア派と反シリア派がエミール・ラフード(Emile Lahoud)大統領の後継者について合意に至っておらず、両派間の緊張が高まっている。同大統領は親シリア派で、11月に任期切れとなる。

 一連の暗殺事件の最新のものとしては、9月にベイルート(Beirut)で車両爆弾攻撃があり、反シリア派のアントワーヌ・ガネム(Antoine Ghanem)議員を含む6人が死亡した。数日後には新大統領選出のため、議会が召集される予定だった。

 11月12日に議会の召集が予定されているが、新大統領の選出が難航すれば両派がそれぞれに政府を樹立する恐れがあるとの懸念から、何とかして新大統領を選出し、これ以上の政治的混乱を避けたい意向だ。(c)AFP