【10月30 AFP】中国で30日、国内在住者を対象とした北京五輪チケットの第2期販売が開始されたが、申し込み殺到により販売システムがダウンする事態が発生した。北京五輪組織委員会(BOCOG)が同日、明らかにした。

 BOCOGの発表によれば、インターネットによるチケット販売には一時、毎秒20万件以上もの申し込みがあった。販売開始からわずか1時間で、BOCOGのウェブサイトへのアクセスは800万件に上った。チケット販売は電話でも行われたが、こちらも回線が混雑し、関係者の電話すらつながらない状況だったという。

 その結果、今回の販売予定枚数である180万枚強のうち、30日に販売が完了したのはわずか9000枚にとどまった。BOCOGは、ネット申し込み時に同じページで何度もクリックすると回線に負担がかかるため、繰り返しクリックをしないよう利用者に呼びかけている。

 北京五輪のチケット販売は、BOCOGのウェブサイト、チケット販売専用電話、もしくは全国各地の中国銀行(Bank of China)支店窓口で、先着順に行われている。しかし銀行窓口でもほとんど状況は変らないようだ。

 中国銀行北京支店の従業員はAFPの取材に対し、「システム全体がダウンしているので、窓口でも販売ができないんです。現時点では、どの方法でも購入は無理だと思いますよ」とこぼした。

 国営新華社通信(Xinhua)は、思いがけない需要に驚いているという同行の五輪担当責任者の談話を紹介した。「予約システムは何度かテスト済みです。でも、こんなにも多くの申し込みがあるとは考えてもみませんでした」

 北京五輪のチケットは、3期に分けて合計700万枚が販売予定となっており、うち75%が国内在住者向け、残り25%が海外の観覧者向けだ。6月に行われた第1期販売では、160万枚の販売を完了。海外向けチケットは2008年4月の販売開始を予定している。
 
 BOCOGのチケット販売責任者は、今回のようなシステムの問題が解決されたとしても、人気イベントや種目の購入希望者はがっかりさせることになりそうだと表情を曇らせた。開会式や閉会式、バスケットボール、水泳、体操、バドミントン、卓球などのチケットは、国内在住者ですら容易に手に入れられない状況にあり、「今となっては手の打ちようがありません」ということだ。(c)AFP