【10月30日 AFP】MLBニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のハンク・スタインブレナー(Hank Steinbrenner)副社長は29日、動向が注目を集めているアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)に対する態度を軟化させず、同選手がフリーエージェント(FA)を選択した場合は交渉を行う用意はないことを明らかにした。

 ハンク・スタインブレナー副社長はニューヨーク・デイリーニューズ(New York Daily News)紙に対し「我々としては彼を必要としているが、彼がヤンキースの一員でいたくないのは明らかだ。恥ずべき事態だと思う。事実が本当であればそれでお別れだ」と語っている。

 ロドリゲスは2010年まで3年の契約を残しているが、オプションとして2007シーズン終了後に契約を破棄して退団できる条項が盛り込まれていた。

 ロドリゲスの代理人を務めるスコット・ボラス(Scott Boras)氏は、12年間チームを率いたジョー・トーリ(Joe Torre)前監督の退団が同選手の決断に影響を与える要因の一つとなっていることを明らかにしている。

 地元ニューヨークのメディアは29日、トーリ前監督の後任として2006年シーズンにフロリダ・マーリンズ(Florida Marlins)を率いナショナルリーグの最優秀監督に輝いたジョー・ジラルディ(Joe Girardi)氏の名前を報じているが、ヤンキースは2007年シーズンのオフにFA権を獲得する捕手ホルヘ・ポサダ(Jorge Posada)や守護神マリアーノ・リベラ(Mariano Rivera)の処遇を決めかねており、左腕アンディ・ペティット(Andy Pettitte)と右翼手ボビー・アブレイユ(Bobby Abreu)は契約を破棄する可能性を有している。

 ボラス氏は「ロドリゲスは退団が噂されるポサダ、マリアーノ、ペティットをはじめ誰がチームに残るのか十分な情報を得ることができなかったため決断を下した。経営陣は辛抱するように説いたが、公平性の観点からアレックスはできる限りの情報を欲しがっていた」と語っている。

 ロドリゲスはボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)の優勝で幕を閉じたワールドシリーズ終了後の29日から10日間の契約破棄に関する猶予を有しているが、ボラス氏は「10日間という期間内に退団が噂される選手に関する決定が下されることはないことは明らか」と語り、ロドリゲスが待つことで事態が明確になるとは考えていないことを明らかにしている。(c)AFP