【9月29日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)第1副首相は28日、欧州連合(EU)が導入を検討しているEU域内のエネルギー産業に対する直接投資の制限措置について、「自由市場の原則を損なうものであり、措置が導入されれば対抗措置を取る」と警告した。

■EUの規制に対する対抗策にも言及

 ロシア国内の報道によると、メドベージェフ第1副首相は「残念ながら、エネルギー部門について外国からの直接投資を制限する動きが各国で広がっている」と述べた。 

 メドベージェフ第1副首相は「このような動きはEUで生じているが、グローバル化と市場開放原則の双方に反している」とした上で、「EUが制限措置を導入すれば、対抗措置を講じねばならなくなる」と警告。詳細には言及しなかったが、対抗措置は「広範かつ無制限になる」と語った。

 第1副首相の語る「対抗措置」は、EU側の動きをけん制し、域内のエネルギー産業が保有するパイプラインや電力網の売却を促す目的があるものとみられる。

■EU内で寡占が目立つエネルギー産業へ対策として

 欧州委員会(European Commission)は、域外企業によるEU内の送電網買収を回避するため、直接投資を行おうとする域外企業にはガス供給、発電などの事業を手掛けていないことを証明するよう義務づける政策案を提起している。

 同案は、ガスプロムやアルジェリアの国営石油・ガス会社ソナトラック(Sonatrach)などによるEU域内のガス供給支配を回避することを意図しているとみる向きが多い。

 メドベージェフ第1副首相は2008年3月に実施予定の次期大統領選でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)現大統領の後継者の中で筆頭候補と目され、ロシアの国営ガス会社ガスプロム(Gazprom)の会長も務めている。(c)AFP