【9月22日 AFP】「国際平和の日(International Day of Peace)」の21日、米ニューヨーク(New York)の国連(UN)本部で「平和の鐘」を鳴らす式典が行われ、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は全世界に向けてこの日1日の停戦を呼びかけた。

 式典で潘事務総長は、「1日間、全世界での停戦を求めます。恐れや不安に苦しんでいる多くの地域の人々に、24時間の休息を与えてください」として一時停戦を訴えるとともに、現地時間の正午(日本時間22日午前1時)から1分間の黙とうを呼びかけた。

 さらに「各国と全戦闘員が停戦を順守するよう強く求めます。そして彼らが、この一時的な停戦を恒久的なものにする道を積極的に追求することを強く求めます」と世界平和を訴えた。

 次週には国連総会首脳会合が行われるなど、例年この式典が開かれる時期は国連本部で外交活動が活発化する。事務総長はこの後、ダルフール(Darfur)地方をはじめイラク、アフガニスタン、中東の和平問題を協議する高官レベルの会議を主催する予定。

■国連平和大使を任命

 また事務総長は式典で、国連平和大使を務めたイタリアの世界的オペラ歌手、故ルチアーノ・パバロッティ(Luciano Pavarotti)さんを追悼。パバロッティさんは、長い闘病生活の末、今月9日に膵臓(すいぞう)ガンで亡くなった。

 そして新しい国連平和大使に、ヨルダンの故フセイン国王の娘ハヤ・ビント・アル・フセイン(Haya Bint Al Hussein)王女、イスラエルの世界的指揮者でアルゼンチン出身のダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)さん、ブラジルのベストセラー作家、パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)、バイオリニストの五嶋みどりさんを任命すると発表。

 現平和大使は、中国系アメリカ人のチェロ奏者ヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma)さん、米国の俳優マイケル・ダグラス(Michael Douglas)さん、ノーベル平和賞受賞作家でホロコースト生還者でもあるエリー・ウィーゼル(Elie Wiesel)さん、アフリカの霊長類研究で著名な英科学者ジェーン・グドール(Jane Goodall)さんで、五嶋さんらを含め8人になった。

 国連平和大使は、芸術、音楽、文学、スポーツなどさまざまな分野の著名人が任命され、全世界で国連の理念を推進する任務を負う。(c)AFP