【9月21日 AFP】サッカー、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)の前監督、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏の突然の退団を受けてチェルシーは、所属する選手たちから反発の声に直面する可能性が高まっている。
 
 モウリーニョ氏は、チェルシーのオーナーを務めるロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏との関係悪化等で現地時間20日にスタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge stadium)を訪れ、契約破棄に合意した。

 チェルシーは、モウリーニョ氏の後任として同クラブのスポーツディレクターで元イスラエル代表監督のアブラハム・グラント(Avram Grant)とアシスタント・コーチを務めていたスティーブ・クラーク(Steve Clarke)氏が指揮を執ると発表したが、監督に就任して以降185試合で124勝21敗40分けの成績を収め、リーグ戦ではスタンフォード・ブリッジで60試合無敗の記録を打ち立てるなど傑出した実績を残したモウリーニョ氏の影響力は、選手たちやサポーターにおいてクラブを去った今でも深く残っている。

 シーズン途中でのモウリーニョ氏の退団は、所属する選手たちにも多くの波紋を呼んでいる。ポルトガル・スーペルリーガのFCポルト(FC Porto)時代からモウリーニョ氏の下でプレーしたポルトガル代表のDFリカルド・カルバーリョ(Ricardo Carvalho)は、英大衆紙のデイリー・メール(Daily Mail)のインタビューで「(モウリーニョ氏の突然の退団について)私とチームにおいて非常に悲しい日だ。私はレアル・マドリード(Real Madrid)から獲得の打診を受けていたがモウリーニョの為にチェルシーに残った。私にとってモウリーニョは世界最高の指導者であることは間違いない。彼が目標を達成せずにチームを去るとは思わなかった。今でも私は彼がチームを去ったとことが信じられない。彼はチェルシーを愛していた」と恩師の退団に複雑な心境をのぞかせた。

 また、英国のデーリースター(the Daily Star)紙のインタビューに応じたクロード・マケレレ(Claude Makelele)は「モウリーニョの退団は全ての選手にとって驚きだった。今シーズンはチーム状況もあまり良くなかったので監督にとっては不幸の連続だったのだろう。しかし、私たちは全員でこの状況を打開するために努力していた。私個人にとってもこのニュースは爆弾のようなものだ。彼がシーズン途中でチームを去るとは考えていなかった。新しい監督については良く知らないが、彼もフットボール人だ。また、今後のチェルシーにおいても非常に重要な時期になる。報道ではモウリーニョと常に比較されるから彼にとっては大きな挑戦になるだろう」と語った。

 一方、英タイムズ(Times)紙のインタビューに応じたモウリーニョ氏は、現在の心境について「私は電話を待っている。今の生活を楽しみたいと思う気持ちもあるが、早くフットボールの現場に戻りたい」と語り、新たなチームでの現場復帰に意欲を示した。さらにチェルシーでの監督業はどうだったか?との質問には「私はチェルシーでの仕事に誇りを持っている。英国に来ると決めた2004年5月の決断は間違いではなかった。チェルシーでの監督業は私の経歴の中で最も美しく豊かな時間だった。チェルシーのサポーターに感謝したい。私はチェルシーの監督として貴重な瞬間に立ち会えた。今後も私とクラブが永久に繋がっていくことを願っている。また、選手たちが幸福になれることを願っている」と答え、3年間を過ごしたクラブや選手に敬意を示した。

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