【9月2日 AFP】レバノン北部のナハル・アルバレド(Nahr al-Bared)パレスチナ難民キャンプで立てこもりを続けているイスラム教スンニ派武装グループ「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)が2日、同キャンプから脱出を図った。レバノン軍報道官がAFPに対して明らかにした。

 同報道官によれば、脱出を図った武装勢力の多くは身柄を拘束され、武装勢力側に約20人の死者と多数の負傷者が発生したという。難民キャンプの外に逃れた戦闘員は確認されていないという。
 
 別の軍関係者が語ったところによると、2日午前4時ごろ、同キャンプの東端にある検問所が外部から来た数人の戦闘員の攻撃を受けた。キャンプ内の戦闘員もこの攻撃に加わった。戦闘でファタハ・イスラムの戦闘員5人が殺害されたという。

 レバノン軍は、3か月以上にわたる事態の終結にむけ、多数の兵員、軍用車両、ヘリコプターを投入し激しい攻勢をかけている。同キャンプの周辺地区やシリア方面への主要道路はレバノン軍により封鎖され、近隣の村落では大掛かりな捜索が行われている。レバノン軍のある将校は「今日中に終わらせるつもりだ」とAFPに語った。レバノン軍によれば、この戦闘で新たに軍兵士2人が死亡した。

 レバノン北部の都市トリポリ(Tripoli)に近い同キャンプでは、5月20日以来、ファタハ・イスラムとレバノン政府軍の間で激しい戦闘が行われてきた。これまでに兵士155人を含む少なくとも200人が死亡し、レバノン国内の武力衝突としては、1975年から1990年まで続いた内戦以来最悪の事態となっている。(c)AFP