【8月29日 AFP】「解離性障害」と診断されて母国モンゴルでの療養が決定した第68代横綱・朝青龍(Asashoryu)は、師匠の高砂親方や精神科医と共に成田空港(Narita Airport)からモンゴルに向けて出発した。

 現在26歳の朝青龍は、2場所出場停止などの処分を受けて混迷状態となっており、診察を担当した主治医から日本相撲協会(Japan Sumo Association)に対して帰国療養を求める声が上がっていた。これを受けて日本相撲協会は、28日の臨時理事会で朝青龍の帰国療養を正式に承認した。

 無精ひげを生やし伝統的な黒の着物姿で成田空港に現れた朝青龍は、多くの報道陣やファンに囲まれながらも無言のまま機内に乗り込んだ。朝青龍は、夕方にもモンゴルの首都ウランバートルに到着し、そこから車で約400キロメートル離れた父親の故郷でもある温泉リゾートに向かうと見られている。

 モンゴルへ帰国した朝青龍は、繁華街へ行くことが禁止されており、厳重な管理下に置かれる。日本相撲協会の北の湖(Kitanoumi)理事長は、「彼は治療するか体を鍛える場合の運動を除いて人前に姿を見せることは許されない」と語っており、協会は朝青龍が帰国療養で条件を破った場合には高砂親方へ更に処罰を科すことを警告している。

 また、一部の相撲関係者からは、朝青龍がモンゴルでの療養を終えた後も日本に戻らずモンゴルに留まるのではないかという憶測も上がっている。(c)AFP