【東京 14日 上間常正】ウェアラバウツ(WHEREABOUTS、福薗英貴)が08年春夏コレクションを展示会形式で発表した。素材や織りに独自の遊び心や現代的な野性感を表現しながらも、きちんと作り込むテーラードへのこだわりがうかがえるコレクション。結果として、大人の男性のビジネスシーンでも、若者のカジュアルなミックスアイテムとしても使える懐の深さがある服になった。

■光る素材使い

 ジャケットは、細いラペルを中心に誇張のないデザイン。ラインは細身ではなく、適度にマッシブな立体性がある。袖のカッティングと適切なアームホールの広さのせいで腕の運動性にも優れている。

 同じ襟のデザインでも、素材の糸の太さをさまざまに組み合わせること布地の表情が変化して見える。あえてデザインを強調しなくても、こうした手法で服にさまざまなバリエーションが生まれる。金属繊維を織り込んだ素材は、軽さと耐久性のほかに、前身頃の美しいラインを保たせる効果も生んだ。

■ラングラーとのコラボアイテムも

 同じ手法で、丈の異なるいくつかのコートやジャンパーなどのほか、今回はラングラー(Wrangler)とコラボレートしたデニムのジャケットやパンツ、また遊び心に富んだTシャツなどのカジュアルシリーズも充実した。

 「ヨーロッパに行ったアメリカ人の思いをイメージした」と福薗。今回の端正だがどこかに遊びと迷い心を感じさせるテーラードには、彼が解釈するアメリカントラッドのテーストが反映されているようだ。(c)MODE PRESS

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  • ウェアラバウツ公式ホームページ