【8月9日 AFP】英国南部サリー(Surrey)州の農場で発生した家畜伝染病の口蹄(こうてい)疫の感染源の1つとされる国立家畜衛生研究所(Institute for Animal HealthIAH)に勤務する職員1人が、レジオネラ菌に感染していることが分かった。

 英健康保護庁(Health Protection AgencyHPA)が9日、明らかにした。

 レジオネラ症は発症までに、10日から14日間の潜伏期間があることから、感染源を特定するためにHPAでは現在、この患者の自宅、職場のほか潜伏期間中に患者が訪れたすべての場所を対象に検査を行っている。結果によってはさらに周辺に拡大して追跡調査を行う必要もあるかもしれないという。

 調査は同地域で発生した口蹄疫の調査と同様、HPAのサリー州担当官と英衛生安全庁(Health and Safety Executive)が合同で行っている。

 レジオネラ症発症に関する初期調査はこれまで、感染者が勤務していたパーブライト家畜衛生研究所の管理体制や書類記録を対象に行われた。その結果、同研究所にはレジオネラ菌対策基準の違反はなかったという。現在はより広範囲に及ぶサンプリング調査の結果待ちの状態。

 同研究所近郊では8月3日以来、3件の農場で口蹄疫が確認されている。

 レジオネラ症は1976年に米国フィラデルフィア(Philadelphia)で開催された在郷軍人会(American Legion)の集会における集団発生で初めて確認された。この時には29人が死亡している。通常の感染経路は汚染水、空調などの冷却水など。高熱、空咳、肺うっ血などの症状に続き肺炎を発症する。治療には抗生物質を処方する。(c)AFP