【8月8日 AFP】ベトナム中部の高原地帯を中心に発生した洪水で少なくとも30人が死亡、約5万世帯が浸水し、同国人民軍が被災者の救助にあたっている。当局筋が8日、明らかにした。

 政府当局およびメディアの報道によると、海上にある熱帯低気圧の影響で豪雨が発生、中部高原地帯のダクラク(Dak Lak)省などの地域で河川が決壊、数千人が家を失った。

 グエン・タン・ズン(Nguyen Tan Dung)首相は当局者に緊急の呼びかけを行い、救助活動および地滑りや鉄砲水の危険にさらされている住民の避難誘導を急ぎ、適切な医療・経済支援を行うよう命じた。

 ダクラク省の防災当局者によると、今回の洪水で最も多い11人が同省で死亡したほか、先週末からこれまでに9人が行方不明となっているという。また中部ハーティン(Ha Tinh)省では落雷による死者3人を含む、6人が死亡が報告されている。

 さらに首都ハノイ(Hanoi)の災害対策委員会によると、中部高原地帯のラムドン(Lam Dong)省で6人、中部ゲアン(Nghe An)省で3人、ザライ(Gia Lai)、フエン(Phu Yen)、ダクノン(Dak Nong)、クワンビン(Quang Binh)の各省でそれぞれ1人が死亡した。また洪水により約5万世帯が浸水し、農地6万5700ヘクタールが冠水したという。

 海上の熱帯低気圧の勢力が弱まったが、被害は増大したという。(c)AFP